Ⅱ度とⅢ度のやけど治療例


~前腕部~

患者さんは転倒してホットプレートに腕をつけてしまった。プレートが熱い上に自分の体重かかり、またそのため熱源から離れるのに時間がかかるのが通常。このためヤケドが深くなってしまうことがほとんど。こちらの患者さんも例外ではなく、とくに手関節付近では皮膚がえぐれていて3度の深さ。肥厚性瘢痕になることは覚悟していたが写真のようにきれいになってきた。





●治療経過●

患部 日 付
初診日
約2週間後
3ヵ月後
約5ヶ月弱後


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<患者さんのお母様のコメント>


○月○日、天気がよかったので庭でバーベキューをしようと、芝生にビールケースを置きその上にホットプレートを乗せ、油を引いて熱していた時のことでした。3歳11ヶ月の娘がホットプレートに近づかないようにと障害物として周りに置いておいたお盆や皿が反ってあだとなり、それにつまずいた娘はホットプレートの上に倒れこみました。一瞬の出来事でした。そばにいた私は慌てて娘を抱えて家に駆け込み、娘の腕を流水で冷やしました。娘は泣き叫び、左手首から肘近く20センチ位にかけて白くふやけたようになっていました。
急いで近くの救急病院の外科に行きました。そこでは2度の火傷と言われ、翌日も治療に来るように言われました。そして翌日行ってみると、別の医師が治療し、「これは1度の火傷です。痕も残りません。」とのこと、私たち親子は明るい気持ちで帰りました。
ところがその翌日、私の仕事の都合で母に娘を病院に連れて行ってもらうと、今度は又別の医師に「手首の水ぶくれの部分は3度です。」と言われたというのです。それから2~3日おきに病院にいくたびに毎回違う医師の治療が続き、「こんなに治りが遅いものかな・・・」と不安な気持ちで毎日ステロイドホルモン剤を塗っていました。手首の水ぶくれはつぶれ、他の部分の皮膚もはがれて血がにじんだような状態でした。
2週間近く経ったある晩、娘の薬を塗っていたときに、水ぶくれがつぶれた部分が輪のように盛り上がり、内側はえぐれたようになっているのに気づきました。
娘は火傷をした翌日からバレエ教室に通い始めることになっていました。楽しみにしていたバレエも延期し、治療に頑張っているのに、痕が残ってしまったらバレエどころか腕を出すだけでも躊躇するようになってしまうかもしれない、何とかしてきれいに治したいと思い、インターネットで調べ、川添医院のことを知りました。これまで何度か火傷をした事のある私でも痕が残ったことは一度もなく、火傷が原因でケロイドになり、皮膚が盛り上がる可能性もあるということはこのHPで初めて知り、「娘も同じかもしれない」とその晩はなかなか眠れませんでした。
翌日早速仕事を休んで川添医院の診療を受けました。待合室では娘よりも小さいお子さんを連れた女性がいらして、1ヶ月ほど息子さんの治療に通われているお話を聞きました。そのお子さんは娘よりも広範囲の治療をされているようでしたが、安心して、明るい希望を持って治療に臨まれていることがすぐに分かりました。
先生の治療はシンプルだという印象を受けましたが、手首の部分はケロイドになりやすいことなどを伺い、とてもつらい気持ちになりました。受けた説明で頭の中がいっぱいになり、薬の貼り方などは私よりも娘のほうがきちんと記憶していたほどでした。
それからは貼り薬、塗り薬の治療が始まりましたが、急速に皮膚が再生しているという実感が持てるものでした。毎週通っていたのが「次は2週間後でいいですよ。」「次は1ヵ月後で。」と先生に言われるたびに「着実に治ってきているんだ。」と本当に嬉しくなりました。皮膚が乾いてからも火傷しなかった部分との境目が茶色くなっていたのですが、塗り薬の効果でいつのまにか消えてしまいました。
娘の保育園では夏季は毎日プールに入ります。紀子先生が「日に当たることが色素沈着を招く恐れがある。」とおっしゃったので、私は小さなアームカバーを縫って娘に持たせ、火傷の部分を覆って水に入るようにさせました。保育園常駐の看護婦さんも毎日、プールが終わると娘の薬とガーゼを交換して下さいました。

そろそろ火傷してから半年になります。
手首の部分はほんの少しの変色で、他の部分もよく見ると白っぽくなっていますが、徐々に治ってきているように思います。心配されたケロイドも、ほぼ大丈夫そうで、川添先生、紀子先生には本当に感謝しております。そして頑張って毎日ガーゼを嫌がらずに薬をつけていた娘にも、ありがとうと言いたいです。
今でも、昔の娘の写真をみると必ず「この時はまだ火傷をしていなかったんだな。」と思います。でも、暗い気持ちになることはありません。今後も希望を持って、どこを火傷したのか分からないくらいにきれいになってくれると確信しています。
お蔭様で、今月は初めてのバレエの発表会にも出られそうです。



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