【 お母様のコメント 】
五歳になる息子が幼稚園より戻り家の中で妹とともに遊んでいました。
仕事が休みだった主人と夕食の買い物の話をしていると、廊下を走る息子の姿が目
に入りました。走るなと声をかけたその直後、もの凄い音と共に息子の叫び声が聞
こえてきました。
振り返ると太ももを押さえ苦痛で歪んだ息子の顔が目に入り、一瞬何が起きたのか
理解できませんでした。
慌てて駆け寄ると部屋中水浸しで、電気炊飯器と電気ケトルが床の上に転がってい
ました。
廊下を走った時、丁度沸かしていた電気ケトルのコードに足をひっかけ、その勢い
でカウンターに置いてあったケトルと炊飯器が吹っ飛んだようです。
その時、沸かしている熱湯を右半身に浴びてしまいました。
取り合えず鍋で水をかけましたが、それでは足りないと思いシャワーをかけていま
した。病院にどうやって連れて行こう。そんな事を考えていた時、主人に『救急車
呼ぶよ。』と言われ、そんなにも酷いものなのかとその時に気がつきました。
救急車で病院に着いても、救命の先生と話しをしていても上手く理解ができません
でした。救命のベットで包帯だらけの息子をみてようやく現実を見たようなきがし
ました。それまでは自分を責めるので精一杯だったのです。
次の日には息子は元気でした。
けれども処置の際体を震わせ苦痛に耐えている息子を見ると、どうしたら元の体に
戻せるのだろうかと考え始めました。そんな時姉達がやけどを専門的に治療してく
れる病院を見つけてくれました。
退院翌日に姉達と共に先生の所に向かいました。とにかく右半身全部だったので
色々なリスクのこともはっきりと話してくれました。先生にはよく考えてと言われ
ましたが、私の中ではもう決めていました。
その日からほぼ毎日のように通院し、日に日に良くなってくる息子を見ていると自
分たちの気持ちも軽くなるようでした。
あれからもう半年以上経ちました。最初は包帯を五本使用していましたが、今で
は一番深かった太ももの痕のみです。その痕も少しずつ小さくなってきています。
今まで治療が続けられるのも先生のおかげです。本当に感謝をしています。
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