【 Oさんのコメント 】
料理中にガスの火が長袖ジャケットの袖に引火し、慌てて流しの水道の下に腕を入れ、消そうとしたが水があたる部分は消化するも、火の手が上へ上へと上がり、耳から髪の毛まで焼け、やっとの思いで服を脱いで消化するが、左腕、左耳、左脇腹に大火傷を負う。
救急車で病院に搬送され、搬送先の病院で二日間、治療してもらう。最初の日の医師には、今日は痛くて無理かもしれないが、明日からはシャワーで患部をきれいに洗うよう言われるが、二日目の別の医師には、痛みもあるし、シャワーやお風呂には入らず、毎日薬の塗付とガーゼ交換に通うよう言われるが遠くて不便なら近所の皮膚科でもよいといわれる。個人開業医と病院の皮膚科、両方あるなら病院の皮膚科の方がよい、と言われる。
3日目、搬送された病院は毎日通うには遠いので、近くの○○病院の皮膚科で毎日薬の塗付とガーゼ交換をしてもらうように言われて○○病院の皮膚科外来へ来院。皮膚科へ行くと、医師はいきなり「紹介状がないと見られない」、「火傷は皮膚科ではなく形成外科だ」、などと言われ、診察に対し、露骨に難色を示される。痛みと、患部の大きさに不安で押しつぶされそうな中、話もあまり聞いてもらえない。一人暮らしで、患部の場所と大きさから、一人での薬の塗付とガーゼ交換などは難しいのでお願いできないか、と聞くが、患者数が多く、看護師が不足しているので毎日は無理、あくまでも自分でするように、と言われ断られる。その日はとりあえず皮膚科にて薬の塗付とガーゼ交換、包帯をしてもらい、山のようにリンデロンVGを頂き、しっかりシャワーできれいに洗って、毎日自分で薬の塗付とガーゼ交換をするように言われる。一週間後の予約を入れて帰宅。翌日からは自分でできないなら近所の皮膚科に行くように言われ、紹介状を書いてもらう。
4日目、近所の個人開業医の皮膚科に行くも、ここでもガーゼ交換はできないと断られる。もう一軒の個人開業医に行くと、そこではその日は薬塗付、ガーゼ交換と包帯をしてもらうが、毎日は無理、と言われる。その日の夕方から左手全体が腫れ、指先までむくんでくる。
5日目、3軒目の皮膚科(個人開業医)でやっとガーゼ交換をしてもらう。
7日目、3日目に行った○○病院の予約診察に来院。この一週間、難民のようにいろいろなクリニックを渡り歩き、大変だった旨を報告すると、先生曰く、「ガーゼ交換に30分もかかる。その間に何人の患者が診られると思いますか?断られても不思議はない。」と言われてショックを受ける。「あとまた一週間後、様子を見て、ケロイドになったり、関節の曲げ伸ばしに支障が出るようなら形成に回すから手術の相談など、そっちでやってくれ。」言われ、なすがまま、固まっていく皮膚を見て将来手術になるかもしれないというのに能動的な対処ができないのかと、愕然とする。
8日目、打ちひしがれた思いでどこかに火傷治療の良いお医者様はいないものかと、ネットで検索していた際に川添医院を見つけ、わらをもつかむ思いで病院へ行く。院長先生は患者の言うことを実に丁寧に聞いてくださり、その優しさに、不安でいっぱいだった心が救われる気がする。今までとは異なる、独自のシップのような薬を貼ってくださり、「着衣着火にしてはまだましですよ。」と慰められて安堵する。また、肩とひじの関節にも火傷があり、そこが固まると曲げ伸ばしに不具合が生じることもあるから、寝るときはなるべく、腕をあげて寝るように、シャワーはまだ痛みも激しいのでしなくてもよい、薬も無理に塗らず、貼り薬を毎日の通院で変えるだけで大丈夫、と言われ、かなり精神的に楽になる。
毎日通院をつづけるうちにみるみるよくなっていくのを自覚し、痛みもすっかりとまる。
16日目、川添医院に通院しはじめてから8日目、シャワーにも入れるようになる。はじめはびくびくしながらだったものの、痛みもなくとても快適にシャワーで洗うことができる。当初から心配で折に触れ様子を見に来て手伝ってくれていた娘も、あまりの順調な回復ぶりに驚く。
19日目、心配だった肥厚性瘢痕による機能障害も大丈夫だろう、という先生の言葉に本当にほっとする。火傷は、かゆみも出てきて日増しによくなっていくのを実感している。
23日目、「衣服着火にしては劇的に良くなっている」との先生のお言葉に、飛び上がるほどの喜びを感じる。
今後は、跡がきれいになるように通院するつもりです。川添先生に出会えて本当によかった。心から感謝しています。
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